解決事例 交通事故Case

【交通事故】解決事例2:

むち打ちだからと馬鹿にして、治療打ち切りを主張する保険会社との、粘り強い交渉により、治療期間延長、後遺障害等級を獲得

相談前

相談者は、頚椎捻挫によるむち打ちを主訴としていたが、保険会社は、「むち打ちの場合は、治療期間は最大6か月間である」として、治療の打ち切り、健康保険の使用を要求してきた。

しかし、依頼者の首の痛み、しびれ、可動域制限は続いており、治療の継続はもちろんのこと、後遺障害が残ることも危惧される案件だった。

相談後

保険会社と交渉して、治療期間の継続を求めた。依頼者に専門病院を受診してもらい、精密検査を受けて、診断書を新たに取得してもらった。

保険会社も、先の見えない治療期間延長には応じないことから、専門医の所見を基に、「4か月後には後遺障害診断書を取得して症状固定とする」ことを条件に、治療期間の延長、すなわち依頼者の治療費負担の延期を獲得。

4か月後に、後遺症診断書を取得して後遺障害等級の認定を求めたが、「非該当」となった。これに対して異議申立をするとともに、その審査期間中に、症状固定日を変更する新たな後遺障害診断書を取得し、画像上頚椎に変異を認める等の内容も効果を発揮して、症状固定日がさらに6か月延び、後遺障害等級14級を獲得した。

損害額については、保険会社は自賠責保険の基準額そこそこから提示したが、「裁判も辞さない」という強気の姿勢で交渉した結果、「赤い本」基準の満額を獲得。

コメント

保険会社は、早く早く治療を打ち切ろうとしてきます。
これは、被害者の中には、必要のない治療をダラダラ続けている人も少なくないといった問題もあります。被害者としては、適正に治療を続け、その状況を検査や診断書などで証明して、治療期間の継続を粘り強く交渉していくしかありません。

本当にもう打ち切られそうなときは、「あと●か月待ってくれたら必ず後遺障害診断書を取得して認定申請する」という確約をすることもあります。保険会社も、先の見通しがつけば、ある程度譲歩してくれることもあります。
後遺障害診断書は、一度書いてもらっても、新たに書いてもらって差し支えありません。

本件の場合は、最初の後遺障害診断書を書いてもらった後、健康保険で治療を続けていましたが、精密検査の結果、頚椎の構造的変位が認められたことから、症状固定日も延びましたし、後遺障害14級の獲得にもつながりました。

後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益が認められますが、症状固定日が延びることで、休業損害と障害慰謝料が増額されるという効果がありました。この依頼者の場合は、もし弁護士に依頼をしなかったら、治療期間6か月、後遺障害なし、で終わっていた可能性がありましたので、弁護士に依頼した経済的効果は大きなものがありました。